用語解説


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メガフロートはギリシャ語で巨大という意味のMEGAと英語の浮体という意味のFLOATを組み合わせた造語で、巨大な浮体構造物;超大型浮体式海洋構造物を表す用語です。日本の陸域面積は37.8万KM2で、世界で60番目の広さですが、海岸線は34,000KMと長く、有効利用可能な海洋・沿岸域に恵まれています。水域面積のうち、3万KM2は比較的条件の良い水深20M以下の海域ですが、すでにその50%が江戸時代からの埋め立てにより、臨海工業地帯や漁業関係に利用されており、今世紀末には飽和状態になるといわれています。しかしながら、水深20Mから50Mの海域は5万KM2あり、水深50Mから100Mでは8万KM2あります。これらを合わせた国土の40%以上に相当する海域が、これからの利用対象となってきます。ところが、沖合域は地盤が軟弱だとか、水深が深いという条件があって、もうこれまでのような埋め立てでは技術的にもコスト的にも対応できないと予想されており、これを補完する、あるいはこれに代わる工法として超大型浮体式海洋構造物・メガフロートという構想がでてきました。メガフロートは、1)水深に関係なく海域を利用できる。2)地震による影響がほとんどない。3)生態系や潮の流れを変えることなく、環境保全が図られる。4)工費、工期の面で他工法より経済的等、多くの特長をもっており、種々の用途が考えられますが、その代表として海上空港があります。平成7年に鉄鋼4社と造船11社が、メガフロート技術研究組合を設立し、浮体の設計技術、洋上での浮体ユニットの接合技術、100年耐用をめざした防食技術、浮体の振動や騒音の制御技術、生態への影響評価技術等の研究を行っています。また、これらの研究項目を検証するための実証実験として、長さ100M,幅20M,深さ2Mの浮体ユニットを各地の造船所と鉄鋼メーカで合計9個建造し、図1に示すように、次々と洋上で接合する実験が行われました。洋上では、ユニットの底面が水中にあることや、波による動揺があることで、健全な溶接部を得るために、いかにうまく水を抜くか、動揺を止めるかといった工夫を加えながら、平成8年7月に無事300M×60M×2Mの浮体モデルが完成し、実験海域の横須賀市沖に係留されています。現在メガフロート技術研究組合では、浮体モデルによる各種挙動の研究を推進するとともに、図2に示す例のような、実際の空港を対象とした設計および建造方法の検討が始まっています。実機では、面積880HA程度になるため、300M×60M×5Mのユニット490個、鋼材重量440万トンが必要になります。これを実現するには、造船、鉄鋼メーカのユニット生産能力や、接合浮体の寸法精度維持の問題等、新たな問題も考えられますが、21世紀には日本のどこかで、このような海上空港が実現すると思われます。(1997年1月号)メガフロート図1図2(メガフロート空港)227


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