用語解説


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「ブレージング(BRAZING)」、すなわち「ろう付」とは、BRASS(黄銅あるいは真鍮)を語源とし、元来は黄銅ろう付を意味していたようです。最近では「溶接」に対比させて、「ろう付」と「はんだ付」を総称して「ろう接」と呼んでいます。「ろう付」と聞きますと、江戸時代の飾り職人の金細工程度に思われますが、日本で現在明らかになっている最古のものは、約1300年前の大和朝廷時代の水時計式時計台に使われた、直径9㎜、長さ15Mの銅管に施された銀ろうであるとのことです。このように「ろう付」は非常に古く、歴史ある接合技術ですが、今日スペースシャトルのロケットエンジンに適用されている新しい技術でもあります。一方、「ミグブレージング(MIGBRAZING)」とは、ろう材を溶かす熱源としてミグ溶接によるアーク熱を用いる「ろう接」のことで、一般のミグ溶接と同じ要領で接合ができます。図1はミグブレージングとミグ溶接を比較したものです。「溶接」では、母材とワイヤの両方がアーク熱によって共に融点(軟鋼では約1500℃)以上に加熱溶融することにより接合する方法です。このため、熱歪や内部応力の発生は避けられません。しかし「ブレージング」では、母材より融点の低いろう材、例えばSI―MN入り銅合金(エバジュール)ワイヤを用いるため、融点は約1000℃と低く、ろう材のみが溶けて継手隙間に毛管流動によって浸透していきます。従って母材溶融がほとんど無く、母材の材質変化や熱変形の少ない接合ができます。さらに「ミグブレージング」ではアークのクリーニング作用により母材表面がきれいになるため、強固な接合部が得られます。マイカーをいつもきれいに洗っている人はお分かりでしょう。(残念ながらペイントしてあるので分かるはずがありません)。実は、現在「ミグブレージング」なる接合方法を多用しているのが、この自動車外装部のピラーという部分です。この部分は強度上重要な部分でありながら、表面がなめらかでなければなりません。そこで強度的にも十分で、熱歪も少なく、ビードも削りやすいミグブレージングが炭酸ガスアーク溶接に代わって適用されているのです。みなさんも一度、「溶接」とはひと味違ったろう接法「ミグブレージング」の適用箇所を捜してみませんか。具体的施工例ワイヤの種類:SI―MN入り銅合金(エバジュール)ワイヤ径:0.8∼1.0㎜Φ施工条件:50∼100AMP―14∼17Vシールドガス:AR15/MIN.電源:定格350AMP.一般には定格150∼200AMP.の小型のものを使用適用板厚:軟鋼0.5∼2.0T㎜(1988年2月号)ミグブレージング147


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