用語解説


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ロボットを扱っていて、ティーチングやプログラミングという言葉をよく耳にします。どちらもロボットに所定の動作を記録させる作業で使われています。両者をどのように使い分けているのでしょうか。JISによれば、プログラミングとは「ロボットシステムに作業を実行させる手順、動作、条件などを指示するプログラムを作成する行為」とあり、ティーチングとは「ロボットに、作業を実行するために必要な情報を指示し、記憶させること」とあります。現在の産業用ロボットの多くは、“作業を実行するために必要な情報”をプログラム(ロボット言語で記述した作業手順)で持っているので、プログラミングとティーチングを同じ意味合いで使っても間違いではありません。一般的には、プログラムやロボット言語を使用することを意識した時に“プログラミング”という言葉を好んで使うようです。’80年代に産業用ロボットが普及し始めたころは、ロボットをそれこそ人の手で誘導し、作業点を教え、その点でシールドガスや溶接電源に出力したりという操作が一般的で、「人がロボットに対して“教示する”」といった表現がまさに的確でした。最近はオフライン・プログラミングなどで、パソコンや専用画面で教示プログラムを編集したり、位置を数値で操作することが行われるようになってきました。このような手法では、操作者が意識するのはロボットよりは、プログラム言語や作業であり、いかに効率良く作業プログラムを組むかといったことになります。パソコンに向かって、ロボット言語を編集操作する人にとっては、「ロボットに教示している」というよりも「プログラムを組んでいる」といった意識のほうが強いはずです。オフライン・プログラミングは、組立てやハンドリングロボットでは一般的な教示方法です。いっぽう、オフラインティーチングは、ロボットモデルをパソコン上に持ち、実ロボットなしに教示や軌跡の確認などが行える教示システムのことで、プログラミング機能も取込んでいます。しかし、ワークや開先に非常に接近した位置決めや、ロボットとワークの干渉確認などがややむずかしく、主としてワークの長さやコラム径を変えるなどマスタプログラムの加工に有効な教示方法です。また最近では、自動プログラミングが脚光を浴びています。自動プログラミングは自動軌跡生成と干渉チェック機能を持ち、開先の種類や溶接条件などを設定することで、動作プログラムを自動的に作成することができるものです。現在のところ、すべてのワーク、開先に自動プログラミングが適しているわけではありませんが、近い将来、ティーチングに代わる教示方法になりそうです。(1995年12月号)ティーチングとプログラミング9696


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