用語解説


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表量測定方法分類1フェライトの顕微鏡組織方法磁気的機具方法化学分析値方法点算法(法)皮膜計法(測定機具:ー)磁気誘導法(〃:ー)磁力対比法(〃:ー)組織図法組織図組織図によるなによるによるポイントカウンティングマグネゲジフェライトスコプフェライトインディケタシェフラのディロングのⅠⅡⅢ通常よく使用されている308系や316系オーステナイトステンレス鋼の溶接金属は、写真1のようにフェライト(しま模様の部分)を交えたオーステナイト組織を示します。溶接金属中のフェライトの量は、溶接金属の化学成分や溶接施工条件などによって変わりますが、フェライトの量が低くなると高温割れ(溶接金属が液体から固体に凝固する直下の高温度域で発生する割れ)が発生しやすくなります。また、後熱処理を行ったときや高温で使用したとき、フェライト相に炭化物やシグマ相が析出しますので、フェライト量が多すぎると溶接金属の伸びや衝撃値が著しく低下します。従って、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属は、用途に応じフェライト量を適正な範囲にコントロールすることが必要です。オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属中のフェライト量を測定する方法には、表1に示すようにいろいろな方法があります。その中で図1に示す組織図は、作図者の名前をとりシェフラ(SCHAEFFLER)の組織図と呼ばれ、古くから用いられています。この方法は、測定しようとする溶接金属の化学成分値からオーステナイト生成元素(C,MN,NI)の指数をNI当量、フェライト生成元素(CR,MO,SI,NB)の指数をCR当量として計算で求め、すでに与えられている組織図からフェライト量を測定する方法です。このシェフラの組織図は、フェライト量の測定以外に溶接材料を選定するときなどにも利用できます。例えば、軟鋼板(SS41)にステンレス鋼用フラックス入りワイヤDW―309LおよびDW―308Lで肉盛溶接する場合の使い方は、以下のとおりです。まず、軟鋼板と全溶着金属のミルシートの化学成分値からCR当量、NI当量を算出し図1の中にプロットしますとそれぞれA,B,C点となります。肉盛溶接した溶接金属のプロット点は、母材と全溶着金属間の線上に位置し、溶込み率によって母材側または全溶着金属側へ移動します。DWステンレスワイヤの標準溶接条件での溶込み率は、約25%になりますので、肉盛溶接金属の組成は、それぞれD(0.25=BD──AB),E(0.25=CE──AC)点になります。図1中のDW―308Lの溶接金属E点は、マルテンサイトを含むオーステナイト組織を示し、前述したように、溶接割れなどの欠陥が発生しやすくなります。一方、DW―309Lの溶接金属D点は、フェライト5%を含むオーステナイト組織となり、肉盛溶接の溶接材料は、DW―309Lを使用すべきであることが理解できます。このように、シェフラの組織図は、広範囲に組織を分類しており、フェライト量の測定ばかりでなく、ステンレス鋼の溶接材料の選定や溶接施工条件を決定する場合など広く利用できますので、ステンレス鋼溶接部の組織図として最も普及しております。(1983年9月号)シェフラの組織図写真1D308溶接金属部のミクロ組織(倍率400)63


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