用語解説


>> P.53

年ごろの娘をもつ父親は心配が多い。電話が全くかからないことも心配ですが、電話がかかりすぎるのも心配のタネといえます。人生の岐路といわれる結婚があるからです。ところでこの結婚、父親は心配のあまり、娘が選んでくるにしても、見合いで選ぶにしても、相手の青年をいろいろ調べようとします。そのため青年の会社での評価、私生活での状況などを、興信所を使って調べたり、時には青年と一緒に酒を飲み、父親の立場でいろいろ質問し、普通の状態では出てこない性格を知ろうとしたりし、八方から調べて適性を判断しようとします。これは青年にとっては不愉快なことかもしれませんが、娘を将来とも幸せにと願う父親の気持ちの現れといえます。普通の生活では、好印象を受ける青年も、酒が入ると、興信所の報告書にない、狂暴性を発揮したり、破廉恥な行動を起こすかもしれません。また酒が入ったとたんにグーグーと寝てしまうかもしれませんし、いくら飲んでも全く乱れず父親が先にダウンともなりかねない、青年もいます。このように表面的には好青年といえる青年も、酒が入ると性格が一変し、本音が出てしまいます。これと同じことが金属の高温硬さにもいえます。一般には室温で硬い金属も高温になると、硬さが低下し柔かくなりますが、世の中には高温でも、高い硬さが必要な商品は多くあります。この硬さは摩擦と相関関係にあり高温での適度の硬さが、商品の延命を向上させます。例えば、金属相互の摩擦で温度が上昇する工具のドリルや高温で操業する化学装置用バルブ、自動車エンジンのバルブなどはいずれも高温使用されるため、高温での高い硬さが必要となります。このような材料には鋼にCR,W,MOを入れた工具鋼や、逆にFEがほとんどなくCOをベースにCR,Wを入れた合金、ハード・アロイなどがあります。これらはCR,MO,W,CO,WそれにCを入れて、高温での硬さを得ようとしたものです。図に各種材料の高温硬さの例を示します。室温では硬い高速度鋼やHF-600も、かなり高温になるとHF-3RやHF-6Rよりも柔らかくなることがわかります。いわばハード・アロイは他の材料に比べて、酒が入ってもあまり変わらない青年といえます。とはいえども他の材料はそれぞれ所定の温度で、相当の硬さもありますので、使用温度に応じて材料を選ぶことが必要となります。さて、年ごろの娘をもつあなた、青年をどんな基準で評価しますか?え、まだ中学生ですって!!でもいまから考えてみるのも楽しいではありませんか。(1979年12月号)高温硬さ53


<< | < | > | >>