用語解説


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ガスシルドアクティグミグマグガスアクガスなどーー溶接(非溶極式)溶接()(溶極式)溶接()溶接()炭酸ー溶接混合TIGMIGMAGARCO80-202ガスシールドアーク溶接とは、電極と母材の間にアークを発生させ、このアーク熱(約6,000℃)を利用して母材を溶融、接合するアーク溶接法のうち、溶融状態の金属が大気にさらされ空気中の酸素、窒素、水素(水蒸気)を吸収して性能が劣化するのを防ぐため、炭酸ガスやアルゴンなどのガスで遮へい(シールド)する溶接法の総称です。ガスシールドアーク溶接は大別すると、タングステンやその合金を電極に使い、電極そのものは溶融せず非溶極式に分類されるティグ(TIGタングステン・イナートガス)溶接と、溶接ワイヤそのものを電極とし、電極自体が溶けて溶接金属になり溶極式に分類されるミグ(MIGメタル・イナートガス)溶接、マグ(MAGメタル・アクティブガス)溶接、炭酸ガスアーク溶接に大別されます。ここで頭文字の「T」(タングステン)や「M」(メタル)は電極材料を示しています。またミグ溶接とは不活性ガス(イナートガス)を、マグ溶接とは活性ガス(アクティブガス)を用いる溶接という意味です。ところで、これらの呼称による区分はティグ溶接の場合は特異な溶接法であるため、その区分も明瞭ですが、ミグ溶接とマグ溶接の相互の区分はあいまいなまま使われています。不活性(イナート)であるか否かを厳密に考えると、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガスが使用される場合だけがミグ溶接と呼べるわけですが、不活性ガスに少量の活性ガス(酸素や炭酸ガス)を混合したシールドガスの場合は、混合比率に応じて緩やかにガスの活性度が変化し、それに応じてアークや溶接金属の特性が変化するので、明瞭な境界を引き難いところです。ミグ溶接の呼称は、最初に実用化されたガスシールドアーク溶接が、溶極式で不活性ガスを使用したアルミの溶接であったことから生まれたもので、その後各種の非鉄金属材料や高級鋼を中心に適用拡大されたいきさつから、ガスシールドアーク溶接の代名詞のように使われてきたものです。一方、低コストの炭酸ガスを用いる炭酸ガスアーク溶接が、その高能率性と相まって適用拡大がすすみ、現在ではガスシールドアーク溶接の中でももっとも多用される溶接法となり、炭酸ガスアーク溶接の呼称は独立した地位を占めています。このような炭酸ガスを基本としてビード外観、スパッタ、溶接金属の機械的性能などの向上のためにアルゴンなどとの混合ガスも使用され、これらの混合ガスを用いる溶接と炭酸ガスアーク溶接を包含する呼称として、マグ溶接という言葉が使われています。ちなみにJIS規格では、用語の意味としては次のような表現が見られます。JISZ3312「軟鋼および高張力鋼マグ溶接用ソリッドワイヤ」規格には、シールドガスとして炭酸ガスと80AR―20CO2混合ガスとが記載されており、またJIS用語の「ミグ溶接」の項には「アルゴン、ヘリウムなどのイナートガスまたは、これに少量の活性ガスを加えたガス雰囲気の中で………」の旨説明されています。従ってAR―3%O2やAR―5%CO2混合ガスあたりが、ミグ溶接とマグ溶接の境界になると思われます。(1987年6月号)ガスシールドアーク溶接3232


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