用語解説


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拡散接合という言葉を最近よく聞くようになりました。JIS用語では、拡散接合は『母材を密着させ、母材の融点以下の温度条件で、塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法』となっています。拡散接合は大きく分けると図1に示すように3つに分類できます。すなわち、接合時に接合物同士を直接接触させるものとインサートを用いるものに分類され、インサートを用いるものはさらに接合時にインサートが溶けないものと溶けるものに分けられます。インサートを用いないものおよびインサートが溶けないものは固相拡散接合とよばれ、接合の進行に伴って接合界面に存在する空隙が消失し、ついには界面が消失して接合が完了します。また、接合時インサートが溶融するものは液相拡散接合とよばれ、インサートが溶融して、それが母材中に拡散するに従って接合部の組成に変化が起こり、それに伴って融点が上昇し、凝固し接合が完了します。一方、液相拡散接合に似ている接合法にろう付があります。ろう付の特長は、接合時にインサートは溶融しますが、液相拡散接合と違ってインサートは接合完了後にもそのまま接合界面に残っている点にあります。拡散接合に用いる装置は加熱および加圧が必要なため、加圧機構を持った炉やHIP(HOTISOSTATICPRESSING)などが用いられ、雰囲気は一般に真空かアルゴンガスが用いられています。拡散接合の特長は、従来溶融溶接では極めて困難とされていた高融点金属やニッケル基耐熱合金およびチタンとステライト、セラミックスと金属の接合といった異種材料間の接合が可能であり、後加工なしで十分使用できることから精密組立法に向いている点にあります。拡散接合の具体的な使用例をあげると、ロケット燃料ポンプ用インペラ、ロケット溝型燃焼器、ガスタービン用の積層構造燃焼器、冷凍機用タービンロータ、蒸気タービン部品などがあります。(1989年6月号)拡散接合31


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