用語解説


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図X線光電子分光法分析例1のBINDINGENERGYEVINTENSITYAU//72272071871671471271070870670470210,00020,00030,0002180120603000..()BFEPSSSSSFEOFEOFEOFESOFEOOHFE34234固体表面の化学組成やその結合状態を正確に精度よく把握、理解することは、新材料の開発や現製品の品質向上、安定化などの諸課題を効率よく遂行するために、極めて重要です。そこで、今回は表面分析の一つであるX線光電子分光法(XPSまたはESCA)について、その原理や特徴を分かりやすく紹介したいと思います。まず原理ですが、固体表面にX線を照射すると、固体表面にある原子中の電子にエネルギーが蓄積され、高エネルギー状態の電子が形成されます。高エネルギー状態の電子は、不安定で、安定になろうといろいろな形で余分なエネルギーを放出します。その一つが光電子と呼ばれるものです。光電子は各種元素やその結合状態により固有のエネルギーを有します。そこで、光電子のエネルギーを測定することにより、元素分析が可能となり、同時に元素の結合状態についての情報も得ることができます。「名は体を表す」。と言いますが、X線光電子分光法という名称は、分析原理そのものを表していると言えます。ところで、光電子を発生するには高真空が必要です。そのため分析装置は、必然的に何千万円もする高価なものになっています。また通常X線光電子分光の分析装置には、ARイオンをもちい、分析試料表面をごく薄く削る機能(ARスパッタリング)が付加されており、これを利用すると、試料表面から深さ方向の分析も可能になります。ちょうど、木材に鉋をかけると、木目が少しずつ変わるように、元素の組成や結合状態が変化していく様子を観察することができます。このように、X線光電子分光法の特徴としては、元素分析のみならず、元素の化学結合状態に関する情報を得ることができ、さらには試料表面から深さ方向の分析も可能であることなどが挙げられます。X線光電子分光法に限定されることではありませんが、分析結果を正しく把握し、有効に活用するには、もちいた分析方法の能力限界を十分認識する必要があります。能力限界としては、元素の検出限界(何MASS%、何MASSPPM.まで分析可能か)や分析領域(分析面積、分析深さ)、さらには試料表面性状(汚れ、凹凸)が分析精度に及ぼす影響などがあります。従って、多くの場合最終結論を導くために、他の表面分析手法が併用されます。最後になりますが、X線光電子分光法による鉄表面分析結果の一例を図1に示します。ARスパッタリングの時間が長く(0→180S)なるに伴い鉄が、水酸化鉄→酸化鉄→金属鉄へと変化している状況が分かります。(1996年3月号)X線光電子分光法(XPS)23


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