溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


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第1層目に欠陥が生じやすい     裏はつり・表側の1層目は完全に除去する・十分な開先角度をとる・グラインダでスケールなどを取除く・グラインダ後、カラチェックで欠陥 が残っていないか検査する○×I開先WRDTV開先WRDTX開先ΘWDAT藤沢0466―20―3000アークエアガウジングによる裏はつり作業は、溶接作業と同様に高度な技量と熟練度が必要な作業です。日々の訓練により技量アップをはかることが欠陥をなくすために重要です。それでは裏はつり作業の注意点について説明します。①初層溶接部に発生が予想される溶込み不良、スラグ巻込み、ブローホールなどの欠陥を完全に除去する。初層の溶接では、一般的に溶落ちなどが起きないように、低めの溶接条件で溶接します。そのため溶込み不良などが発生しやすくなるので、これらの欠陥が残らないようにします。②裏溶接の際に欠陥が生じないよう、裏開先の底部をU形または上の広がったU形にする。図1に示すように、裏開先が狭く鋭角な形状(×印)では、裏溶接の際、溶込み不良やスラグ巻込みなどの溶接欠陥が生じやすくなるので、○印のような開先形状にします。③裏はつり後は開先内面に付着したノロは、ワイヤブラシやグラインダなどで完全に除去する。開先内面にノロが付着していると溶接欠陥が生じやすくなります。また、ところどころにできたくぼみに付着すると除去しにくいので、このような場合はグラインダで開先形状を整形し、凸凹の少ない開先面に仕上げるようにします。④整形後に目視で欠陥を確認する。さらに確実に欠陥を防止するために浸透探傷試験(または磁粉探傷試験)を実施する。ここでの欠陥の有無の確認はとても重要で、裏溶接をしてから欠陥が発見されれば手直しという無駄な作業をしなくてはなりません。非破壊検査を活用して、目視では確認できない微細な欠陥も確認してこれを取り除くことが重要です。以上、裏はつり作業の注意点を説明してきました。ご参考に造船や海洋構造物の溶接施工における裏はつりの基準の一例を表1に示します。合わせてご参考にしてください。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部カスタマーサポートセンター)金子和之溶接110番大阪06―6206―6400表1裏はつり標準とその精度開先形状管理項目標準値管理目標はつり深さ:Dはつり幅:Wルート半径:R――1.4DW3R5㎜0D2―3T1.4DW3D3R7㎜はつり深さ:Dはつり幅:Wルート半径:R1.4DW3R5㎜0D2―3T1.4DW3D3R7㎜はつり深さ:Dはつり幅:Wルート半径:Rはつり角度:Θ°1.4DW3R5㎜35°Θ50°0D2(T-A)――――31.4DW3D3R7㎜30Θ日本規格協会発行「実用溶接データブック」造船・海洋構造物より抜粋。裏はつり作業の注意点厚板の突合せ継手で、完全溶込み溶接をしています。裏はつりをアークエアガウジングにて施し、溶接していますが、欠陥が出てしまいます。「裏はつり作業の注意点」を教えてください。(愛知県K工業所)図1裏はつりの要領11


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