溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


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イルミナイト系溶接棒には、ご存知のように代表的な銘柄として、B―10,B―14,B―17の3種類があります。これらはJISZ3211D4301に分類される同系統の溶接棒でありますが、それぞれ特徴があり多くのユーザー様から永きにわたりご愛用頂いております。余談ではありますが、B―17の名前の由来をお話ししておきます。Bとは旧海軍鑑政本部第5部から命令された符号で17は昭和17年に開発されたためだそうです。その後Bの符号は慣習的に神鋼溶接棒の銘柄の符号となり神鋼棒として長らく皆様に親しまれてまいりました。後に被覆のタイプも非常にふえましたので、Bという符号はスラグシールド型の軟鋼溶接棒に限定して使用することに決められたといういきさつがあります。本題に入りますが、B―17の特徴は、耐割れ性、耐ピット性およびX線性能といった溶接材料としての溶接性が3種類の中で最も優れています。アークの吹き付けが強いため溶込みが深くなります。次にB―10の特徴は溶接作業性(アークの安定性、溶接のしやすさ、等)に重点を置いて設計されており、安定した光沢のある美しいビード外観が得られます。溶込みは高酸化チタン系(RB―26,B―33)やライムチタニヤ系(TB―24,TB―43,Z―44)に比較すると大きく、薄板溶接でも十分な溶込みを必要とする継手に適しています。10の数字は特別な意味はありません。ビートーの名で親しまれており昭和24年から製造を始めています。最後にB―14ですが、これは溶接作業性重視のB―10と溶接性重視のB―17のそれぞれの良いところを生かした溶接棒でイルミナイト系溶接棒の中で最もファンの多い溶接棒です。ビード外観もきれいで、立向、上向溶接でもスラグの流れが良く溶接のやりやすさも最高です。また、X線性能や機械的性能も良好のためJIS技量検定試験や溶接コンクールなどにも多く使用されています。14の数字は10と17の中間ということで特に意味はありません。昭和32年から製造を始めています。これら3種類の被覆アーク溶接棒は、板厚20㎜程度以下の厚板の全姿勢での溶接が可能です。一例として表1にB―14の使用電流範囲を示します。また溶接に際して以下の注意が必要です。①過大電流の使用はX線性能を低下させるほか、スパッタが増加する、アンダカットが増加する、スラグのかぶりが悪くなるなど作業性劣化の原因となりますので、適正電流を守ってください。②過度に吸湿しますと、作業性の劣化のほか、ピットが発生することがありますので70∼100℃で30∼60分の乾燥を行ってください。③長時間の乾燥および高温での乾燥は、見掛け上変質していなくても、溶込みの減少、X線性能の低下、棒やけの原因となりますので避けてください。④中、厚板の溶接に際しては、適切な予熱・パス間温度を採用してください。上記の作業上の要点に注意して、それぞれの被覆アーク溶接棒の特徴を生かしたより良好な溶接をお願いします。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部カスタマーサポートセンター)中国・四国地区技術担当熊谷英一藤沢0466―20―3000溶接110番溶接110番大阪06―6206―6400表1B―14の使用電流範囲(ACまたはDC棒○+、○-)棒径(㎜)2.63.24.04.55.06.07.0棒長(㎜)350400450450450450450550電流範囲(A)下向55∼9085∼140130∼190155∼220180∼260240∼310300∼370立向上向45∼7560∼120100∼160120∼180135∼210――イルミナイト系溶接棒の種類と特徴イルミナイト系溶接棒の中にはB―10,B―14,B―17の3種類の銘柄がありますが、それぞれの特徴と使い分けを教えてください。(関西地区○○産業)7


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