溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


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ステンレス鋼のTIG溶接でのJIS評価試験は、溶接姿勢により表1のように区分されています。今回初めて受験されるとのことなので、学科試験と実技試験をうけることになります。学科については、産報出版のJISステンレス鋼溶接(受験の手引き)の中に記載されている学科問題集から出題されているようです。初めて受験される方の実技種目は、TN-Fが一般的ですので、今回はこの種目について説明します。まず、裏波ビードの酸化を防ぐために、バックシールド治具(試験板を拘束できる)が必要です。次に、試験に使用される試験板の材質、寸法、開先形状、溶加棒は次のとおりです。1)試験板:材質SUS―304寸法3T―125W―150L開先形状70°Vルート面=0.5㎜ルート間隔=0.5㎜2)溶加棒:TGS―3082.0㎜Φそれでは、TN―Fの具体的な溶接要領について説明します。溶接電流は、90A∼100Aに設定し、図1に示すトーチ角度で溶接します。ARガス流量は、トーチ側10∼12L/MIN,バックシールド側10∼20L/MINが最適です。(溶接上のポイントとして)1)アーク長を短くし安定させる。(アーク長さ1㎜)2)溶加棒はクレータに突込むのではなく、クレータの裏面で溶かすように供給する。3)溶加棒の供給は同じ量を一定のピッチで行う。4)溶加棒を供給し溶融金属がクレータ端ルートに流れ込んでいることと、ビード表面が母材表面より高いことを確認しながら前進する。(図2)5)トーチねらい角度90゜がくずれた場合、倒れた側にアンダーカットが発生しやすい。特にアーク長が長くなると、より発生しやすくなる。(図3)以上が、ステンレス鋼のTIG溶接でのJIS評価試験TN―Fの溶接要領です。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部技術サービス室)蛸谷正敏藤沢0466―20―3000大阪06―6206―6400表1実技試験の種類試験の種類継手の種類試験の名称溶接方法溶接姿勢記号試験材形状試験材寸法裏当て金の有無2)ティグ溶接下向1)SUSTN―F板板厚3㎜Nティグ下向試験立向SUSTN―Vティグ立向試験横向SUSTN―Hティグ横向試験上向SUSTN―Oティグ上向試験水平固定鉛直固定SUSTN―P管呼び径80―100A,肉厚3㎜ティグ固定管試験注1)実技試験の基本とする。2)Nは裏当て金なしを、Aは裏当て金ありを示す。溶接ステンレス鋼のJIS評価試験(TIG溶接)について110番ステンレス鋼のJIS評価試験のTIG溶接を取得したいと考えています。初めての受験であり、基本的な種目と実技要領を教えてください。(香川県A鉄工)11


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