溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


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ワイヤアース法を使用したセンシング機能では、溶接ワイヤに微弱な電流で250V前後の電圧(以降センシング電圧という)を印加し、ワイヤが母材に接触した時に起こる電位の変化を確認し、ワーク(被溶接物)のズレ量を割り出してその後のロボットの動作軌跡を決定する機能です。すなわち、溶接ワイヤがアースに接触した時に、250Vあったセンシング電圧が、0V付近になったことを確認しワークの位置を検出する機能です。このことから、ワーク以外の箇所でセンシング電圧が漏電している場合等には、正常な動作をせずエラーを発生したり、溶接線と違った箇所で溶接を行うなど正常に機能しないことがあります。図1では、センシング開始位置で250V前後の電圧がワイヤに印加されています。この位置でセンシング電圧が漏電するとエラーが発生したりセンシングが誤動作を起こします。正常な場合は、図1から図2に動きセンシング電圧が0Vになります。そのワイヤを後上方に数ミリ引き上げ、母材から離れワイヤに再び250V程度の電圧がワイヤに印加されると最初に接触した面が下板と判断し次の動作に移ります。真上に引き上げるので立て板に最初に接触した場合はセンシング電圧が0Vのままになるので、立て板接触と判断し次の動作に移ります。センシング動作のトラブルの主な要因としては、①粉塵等によりトーチ部分の絶縁抵抗が低下した。②ワイヤ送給装置付近の汚れがひどく漏電した。③トーチ部分で、特にチップとノズル間の絶縁抵抗が低下した。④ワイヤパックの付近で絶縁抵抗が低下した。⑤冷却水循環器の汚れからトーチ内の絶縁抵抗が低下した。等が考えられます。改善要領としては、①∼④の項目では汚れ部分の清掃(エアーブローによる粉塵の除去、分解清掃等)を実施することにより改善可能ですが、特に⑤項については以下の注意事項を考慮して対応する必要があります。冷却水循環器の注意点1)冷却水循環器に使用する冷却水について冷却水は、不純物の少ない物を使用する(工業用水は絶対に使用しない)。できれば純粋、精製水等を使用することが望ましい。2)凍結防止用不凍液についてメーカー指定の不凍液を使用する。導電性の物質が含まれる不凍液は絶対に使用しない。3)絶縁が低下して冷却水を交換する場合は次の手順で実施することが望ましい。A.循環器内の冷却水をすべて廃棄する。B.精製水等をタンクの半分程度注水するC.5分程度循環させトーチおよび循環ホース内の洗浄を行う。D.再度冷却水を廃棄する。E.再度B∼Dを実施する。F.精製水等をタンクの注水めもりまで注水する。(コベルコロボットサービス㈱西日本サービスセンター)黒柳務藤沢0466―20―3000大阪06―6206―6400ロボットに関するお問い合わせ東日本地区0466-20-3370西日本地区0726-21-2020中部地区0532-65-2101中、四国地区0824-23-8230九州地区092-451-6054溶接ロボット溶接のトラブル処理(その1)110番溶接ロボットの鉄骨システムを稼働させているユーザーさんから、ワイヤアース法でのセンシング時にエラーが多発する。また溶接中にノズルがワークと接触していないのにノズル接触のエラーが発生するといわれ困っています。どこに問題があるのでしょうか。15


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