溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


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一般に建築物に使用される構造用鋼材は、火災など高温にさらされると強度が低下するため、耐火被覆材で保護することになっています。この耐火被覆を施す作業は、多くの労力と費用を必要とします。そこで、最近では工事費の低減、工期短縮、室内面積の有効利用、美観の点から駐車場などでは耐火被覆を省略することができるFR鋼の使用が多くなっています。FR鋼は常温時の強度はJISG3106(溶接構造用圧延鋼材)SM材やG3136(建築構造用圧延鋼材)SN材の規格と同じですが、600℃での高温耐力について常温の耐力の規格値のを保証しています。図1にFR鋼と一般鋼の耐力に及ぼす温度の影響についての比較例を示します。なお、FR鋼には引張強度によって、400N/㎜2、490N/㎜2級高張力鋼の2種があります。FR鋼には高温耐力を高くするため、微量のクロムやモリブデンなどの合金元素が添加されていますが、低炭素化や制御圧延などの製造技術を適用して炭素当量(CEQ)や割れ感受性組成(PCM)を一般鋼材と同等に低く押さえており、溶接性は一般鋼材とほとんど変わらず、溶接を行うことができます。溶接材料は、それぞれの溶接方法ごとにFR鋼用溶接材料が開発されています。半自動炭酸ガス溶接材料についても、ソリッドワイヤとフラックス入りワイヤがあり、一般材と同様使用用途に合わせた銘柄が揃っています。表1にFR鋼用ガスシールドワイヤの銘柄と特徴を示します。これらの銘柄の中から板厚、開先形状、溶接姿勢などの工事内容に適したワイヤを選んでご使用ください。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部技術サービス室(大阪))矢内信一藤沢0466―20―3000大阪06―6206―6400表1FR鋼用ガスシールドワイヤ一覧表区分銘柄JIS規格特徴下向、横向、すみ肉用ソリッドワイヤMG―400FRMG―490FRZ3312YGW14高電流でもアークが安定なワイヤ全姿勢用スラグ系FCWDW―400FRDW―490FRZ3313YFW―C430RZ3313YFW―C50DR作業性の優れたチタン系ワイヤ下向、横向、すみ肉用メタル系FCWMX―400FRMX―490FRZ3313YFW―C430MZ3313YFW―C50DM高溶着で作業能率の優れたワイヤすみ肉用(メタル系FCW)MXF―400FRMXF―490FRZ3313YFW―C430MZ3313YFW―C50DM耐ピット性の優れたすみ肉用ワイヤ溶接建築構造用耐火鋼材(FR鋼)の溶接について110番スーパーマーケットの自走式立体駐車場の柱と梁を受注し、今回初めて建築構造用耐火鋼材(FR鋼)を使用することになっています。FR鋼とは、どのような鋼材ですか?また、半自動溶接を行う場合の溶接材料を教えてください。(大阪府S鉄工所)15


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