溶接110番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」コーナーをまとめた電子カタログです。


>> P.16

33℃-90%(高温多湿)30℃-80%23℃-90%20℃-65%30℃-65%0 4 8 12 16 20 241.61.41.21.00.80.60.40.2吸湿量(%)放置時間(H)低水素系溶接棒は耐割れ性、強度面など溶接性上、高い品質が要求されます。特に耐気孔性や耐低温割れ性の点から使用前の乾燥が溶接上重要なことは言うまでもありません。さらに梅雨時などの湿度の高い時期は適切な管理が必要となります。表1に神鋼溶接棒の推奨乾燥条件一覧を示します。簡単に表1を説明しますと、低水素系溶接棒の乾燥温度は、300∼350℃で、最大乾燥時間は24時間までです。なお、最大乾燥回数は繰返し3回までですので、その日の使用する分量だけ乾燥するようにしてください。また、保温時間は72時間を限度としています。推奨条件をこえて乾燥あるいは保温された場合、被覆の変色、割れ、脱落等が発生しやすくなりますので注意してください。次に、再乾燥について説明しますと、溶接棒には限界水分量(限界吸湿量)を決めており、低水素系溶接棒の場合は0.5%です。0.5%を越えた場合は再乾燥が必要です。この0.5%の吸湿度合の目安は、温度30℃、湿度80%の場合、約4時間で限界水分量に到達します。図1に環境の違いによる吸湿量の一例を示します。保管場所と保管上の注意事項として、1.雨、雪、露のかからない屋内。2.直接床面に置かず、木製パレット上などに積む。(壁面、床面よりそれぞれ10CM以上離す)3.温度30℃以下、湿度80%R.H以下の通風の良い所。4.潮風、SO2ガスなど発錆しやすい条件をさける。5.入手年月日を明記し、古いものから使用できるように積む。など管理する必要があります。次に、溶接上の注意事項として、1.使用前の乾燥2.母材の不純物(水分、錆、ペイントなど)は取り除く。3.アーク長を短く保つ。4.風速3M/SEC以下で施工。5.ウイッピングはしない。6.適正電流範囲で施工。(過大入熱はさける。)7.適正保持角度で施工。8.バックステップ、捨金法の採用。9.ウィービングは棒径の3倍以内。10.仮付けビードのスラグやヒュームは除去する。以上ご参考の上、日常作業をチェックして、より健全な溶接部となるようこころがけてみてください。(㈱神戸製鋼所溶接事業部技術サービス室)熊谷英一種類被覆またはフラックス系統*1限界水分量(%)乾燥温度(℃)最適乾燥時間(分)*6最大乾燥時間(時間)*6最大乾燥回数(回数)保温温度(℃)*6最大保温時間(時間)*4乾燥後の限界水分量に到着するまでの時間(時間)軟鋼及び490∼520N/級高張力鋼用イルミナイト系ライムチタニヤ系チタニヤ系鉄粉酸化鉄系低水素系極低水素系3.0*22.0*23.0*22.0*20.5*30.5*370∼10070∼10070∼10070∼100300∼350*5350∼40030∼6030∼6030∼6030∼6030∼6060242424242424555533――――――――100∼150100∼150――――――――7272888844藤沢0466―20―3000溶接110番大阪06―206―6400溶接棒の管理LB52(低水素系)を使用する際、ブローホール、ピットなどの欠陥には気を付けていますが、特に梅雨時などこのような欠陥が発生しやすくなります。使用前の溶接棒の乾燥はしていますが、溶接棒の管理方法や溶接上の注意点などアドバイスしてください。(神奈川県K工業所)表1溶接材料の推奨乾燥条件一覧表*1:110℃減量水分で被覆またはフラックの水分量がこの値をこえれば乾燥が必要です。*2:水分量がこの値をこえれば溶接作業性が劣化し、ブローホール、ピットが発生する恐れがあります。*3:この値は、JISZ3118-1992による溶着金属中の拡散性水素量が約9/100になるときの水分量です。*4:30℃-80%R.Hの雰囲気に放置された際の時間です。持ち出し方法によっては限界水分量に到着するまでの時間の延長は可能です。*5:鉄粉を含まない低水素系溶接棒は、400℃まで上げても差し支えありません。*6:溶接棒の乾燥時間、乾燥回数の増加は、被覆強度を劣化させる方向です。推奨条件をこえて乾燥あるいは保温されて使用する場合には、被覆の変色、割れ、脱落及び作業性等に異常がないことを確認の上御使用下さい。図1種々な環境下における吸湿のちがい(低水素系)17


<< | < | > | >>